包茎に関する大まか知識を持っていても、「包茎癒着」という聞き慣れない言葉に対しては、どのような状態を指すのかご存じない方もいるでしょう。
癒着とは、簡潔に説明すると「くっつく」という意味です。つまりペニスの包皮が亀頭にくっついている状態のことを癒着と言います。
癒着は包茎の男性に多く見られ、日常生活に様々な弊害を引き起こします。既に癒着で苦しんでいる方は、どうにかして改善できないものかと頭を抱えていることが予想できます。
本記事では、包茎ペニスの癒着の剥がし方や、絶対にやってはいけない注意点など、気になる情報をお届けします。
包茎癒着は「軽度」と「重度」に分けられる
ペニスの癒着には、重症度が存在します。自分で包茎の状態を判断する材料にもなりますので、知っておいて損はないでしょう。
癒着の重症度について、詳しく見ていきましょう。
軽度
軽度の癒着は、亀頭の一部分に包皮がくっついている状態を指します。そのため、亀頭を全て露出させることは難しいですが、途中までは皮を剥くことは可能です。
自分で皮を剥くことができる仮性包茎がこれに該当しますが、無理やり剥くことで、亀頭や包皮を傷つけてしまうリスクがあります。
また、皮が剥ける範囲が狭いとカリ部分に汚れが溜まり、ペニスを清潔に保てないことが問題でしょう。
重度
亀頭の広範囲に包皮がくっついているので、亀頭がまるで露出できない状態が重度です。
自分では一切皮を剥くことができない真性包茎がこれに該当し、日常生活のあらゆる場面で不便な思いをするでしょう。
また、軽度と同様に恥垢などの汚れが蓄積しやすく、長い年月汚れを放置しておくことで垢が石灰化し、癒着の強度が強まったり、範囲が広がったりする可能性もあります。
包茎癒着の剥き方
ペニスの癒着を剥がすには、いくつかの方法があります。一般的な安全性の高い正攻法から、あまりおすすめのできない方法まで様々です。
癒着の治療方法を誤ることで症状が悪化するだけではなく、ペニスに深刻なダメージが加わる可能性があります。巷では、自分で癒着を剥がすことができるという情報も出回っていますので、それぞれの方法の特徴を詳しく解説していきます。参考にしてください。
包皮翻転訓練
包皮翻転訓練はペニスの包皮口にステロイド軟膏などを塗り、その伸縮性を利用して癒着を改善していく方法です。1日2回ほど訓練を行うことで、約80%~90%の方がスムーズに皮を剥けるようになります。
しかし、この方法は子供の包茎を改善するための方法で、大人の癒着には効果が乏しいことを記載しておきます。軽度の仮性包茎であれば包皮翻転訓練で改善する可能性がありますが、ペニスの広範囲が癒着している真性包茎はまず無理でしょう。
子供の包茎は手術治療ではなく、多くの場合がこの包皮翻転訓練で解決を目指していくのです。
包皮翻転訓練で用いるステロイド軟膏には、コラーゲンの合成を低下させ、皮膚を薄くする作用があります。炎症を抑える効能もありますので、これらの作用を上手に利用して包皮の伸縮性を改善していくのです。
手術治療
ペニスの広範囲が癒着している場合は、手術治療で剥がしていくのが最も安全で確実です。
日常生活でそこまで不便がない軽度の仮性包茎であれば話は別ですが、亀頭がまるで露出できない真性包茎の場合は、余った包皮を切除する以外には改善の余地がありません。
手術という言葉に強い抵抗を感じる気持ちは理解できます。飲み薬などで治るのが一番ですが、ペニスにメスを入れる以外に方法はありませんので腹を括りましょう。
真性包茎の手術治療であれば保険適用が可能ですので、必ず専門の医療機関で治療を受けてください。
包茎矯正器具
インターネットやSNSでは、包茎矯正器具を使うことで医療機関を受診せずに癒着を改善できるという情報を頻繁に見かけます。
包茎矯正器具には様々なタイプの商品が販売されておりますが、セルフでペニスの皮を剥くことができるということが共通の特徴でしょう。
効果に関しては賛否が大きく分かれており、軽度の包茎であればある程度の成果が出ている傾向にありますが、真性包茎に関しては効果がないことをお伝えしておきます。
なぜなら、真性包茎は包皮の癒着が強く、一切皮を剥くことができないからです。皮が剥けないのですから、改善などできるはずがありません。包茎矯正器具で無理やり皮を剥こうとすれば、亀頭や包皮を傷つける恐れがありますので、おすすめはできません。
包茎癒着を剥がす手術治療
ペニスの癒着を剥がすには手術治療が安全で確実ですが、一口に手術と言っても種類が豊富で、ペニスの状態に合わせて使い分けることができます。
また、ペニスの癒着を完全に治すには、癒着を剥がす手術と併せて包茎手術を受ける必要があります。なぜなら、皮を剥がすことができても、ペニスに対して余分な包皮を取り除かなければ再びくっついてしまう可能性があるからです。
それぞれの手術治療について、詳しく解説をしていきましょう。
癒着剥離手術
癒着剥離手術は、その名のとおりペニスから皮を剥がす作業です。
メスや電気メスを使って慎重に癒着を剥がしていきますが、医師の経験や技術が大きく影響する難しい手術です。
そのため、治療を受けるクリニックは慎重に選んでください。低費用ばかりをアピールしてくるクリニックではなく、医師の経歴やクリニックの口コミをチェックし、信頼性を一番に重視すると良いでしょう。
また、ペニスに関する手術は泌尿器科のドクターが専門医となりますので、一般的な美容クリニックでは不安のある方は、総合病院の泌尿器科を受診してみることをおすすめします。
亀頭直下埋没法
亀頭直下埋没法は、余剰分の包皮を亀頭下からペニスの根本まで計測し、余剰包皮を切除した後に縫合する手法です。この方法の大きなメリットは、縫合部が亀頭下で隠れるため、包茎手術を受けたことが他人にバレにくいことです。
通常は仮性包茎の方に適した手術なのですが、真性包茎や嵌頓(かんとん)包茎でも行うことが可能です。傷痕が目立ちたくない方は、亀頭直下埋没法を選択すると良いでしょう。
★かんとん
背面切開術
背面切開術は余剰分の包皮を縦に切り、切開した部分から皮を剥き、縫合は横向きに行う手法です。縫合を横向きにすることで余った皮が引っ張られて、亀頭が顔を出すというわけです。
背面切開術は包皮の切除範囲が狭いので、身体への負担が少ないというメリットがある一方で、傷痕が目立つデメリットもあります。
また、医師の技量によっては縫合時に包皮がシワのようになる恐れがあるので、ペニスの見た目にこだわる方にはあまりおすすめできない方法と言えるでしょう。
環状切開術
環状切開術とは、包皮をぐるりと一周に渡って切開し、亀頭を露出させる手法です、切開した包皮は陰茎中央付近の皮と縫合するため傷痕が目立ち、ツートンカラーになりやすいです。
失敗や金銭面でのリスクが低い一方で、包茎手術を受けたことがほぼ確実に他人にバレてしまいます。お世辞にも良い見た目ではないので、ペニスの外見にこだわる方は避けたほうが無難でしょう。
ちんこが癒着する原因とは
そもそもペニスが癒着する原因をご存じですか?
ペニスの癒着はいわゆる先天性のものと、外部の要因が関係してくる後天性のものに分かれます。後天性のタイプに関しては、日常生活で少し気を引き締めることで予防することが可能なケースもあります。
リスク回避の観点から、しっかりチェックしてみてください。
ペニスの成長が乏しかった
幼少期からペニスが上手く成長できないことで、癒着が発生するケースがあります。
人間、産まれた瞬間は誰もが真性包茎です。ペニスは先端まですっぽりと皮で覆われており、通常は成長とともに自然と皮が剥けていきます。思春期を迎える頃には、ほとんどの方が通常のペニスへと変貌を遂げます。
しかし、ペニスが思うように大きくならず包皮の面積だけが広がってしまうことで、大人になっても1~3割の男性が真性包茎のままとなります。
真性包茎は、亀頭と包皮内部が広範囲に渡って癒着することで発生するので、ペニスの成長が乏しいことで癒着が起こるリスクは非常に高いと言えるでしょう。
亀頭包皮炎を発症した
亀頭包皮炎が原因で、包皮が癒着する可能性があります。亀頭包皮炎を発症すると包皮のあちらこちらに細かい傷ができるので、傷のある皮膚同士が接触することで癒着が発生するのです。
亀頭包皮炎とは、細菌が原因で亀頭が炎症を起こすことを指します。
ペニス包皮の内側で細菌や雑菌が繁殖したり、亀頭や陰茎の傷口から細菌が入り込むことで発症するので、ペニスの清潔が保ちにくい包茎の方に多い症状だと言えるでしょう。
不規則な生活による生活習慣病
不規則な生活習慣が癒着の原因となるケースもあります。肥満や糖尿病などが重症化することで動脈硬化を引き起こし、ペニスに十分な量の酸素や栄養が配給されないことで亀頭包皮炎を引き起こすリスクが高くなるのです。
また、肥満や糖尿病は、包茎やペニスのサイズダウンにもつながってくるので、ペニスの健康のためにも日々の生活習慣の見直しは非常に重要だと言えるでしょう。
亀頭に包皮が癒着するデメリット
ちんこが癒着していることで、日常生活に様々なデメリットが生じます。
癒着を治療するべきか放置するべきかで悩んでいる方の背中を押す意味で、癒着を引き起こす弊害を詳しく解説していきます。
あえて危機感を煽るような表現を使いますが、本記事からの注意勧告だと受け止めてください。
真性包茎になる
ペニスが癒着することで、真性包茎になります。
真性包茎と癒着は深い関係性にあり、真性包茎だからペニスが癒着するといった表現もあれば、癒着が原因で真性包茎になるという使われ方もします。
意味合いは、どちらも同じです。つまり広範囲の癒着=真性包茎という認識を持って構いません。
見た目の自信がなくなる
ペニスの皮が剥けないことは、見た目に大きく影響してくるでしょう。大人になってもペニスが先端まで皮に包まれていることに対し、恥ずかしさを感じる男性は非常に多いです。
友人にからかわれたり、女性から「租チン(粗末なペニス)」と蔑まされた経験がある方もいるでしょう。
ペニスの癒着は、男の勲章から自信と威厳を奪ってしまいます。
セックスでペニスを挿入できない
男性にとって深刻な問題ですが、ペニスが癒着していることで、膣にペニスを挿入できないトラブルが発生します。
なぜなら、ピストン運動の際に膣内でペニスの包皮が引っ張られ、激しい痛みが出現するからです。そもそも挿入自体ができないケースが多く、セックスにおいて大きな弊害となります。
ペニスが癒着しているとコンドームの装着にも苦労し、せっかくつけられたと思えばすぐに外れてしまうので、避妊を重んじる女性との性交渉は非常に難しいでしょう。
また、マスターベーション(オナニー)も同様の理由から難しいケースがあります。手で陰茎をしごく際に皮が引っ張られ痛みを感じます。コツを掴めばそこまで強い刺激を与えなくても射精に至ることはできますが、満足度は乏しいと言わざるを得ません。
早漏・遅漏になる
軽度の癒着の場合は、セッスクで早漏になる可能性があります。
ペニスに癒着があると、普段は亀頭の先端まで皮に包まれているので、包皮がペニスを刺激から守る鎧の役割を果たしています。
ところが、軽度の場合は、一部分まで皮を剥いて亀頭を露出することができます。亀頭が露出できることでセックスも問題なく行えますが、普段は刺激から守られている分、亀頭が強い刺激に対して耐性を持っていません。
その結果、挿入してもあっという間に射精に至ってしまうというわけです。射精することで男性は強い快楽を感じることができるかもしれせんが、女性の立場からすれば完全に不完全燃焼でしょう。
また、重度の癒着の場合は亀頭が露出できないので、逆に刺激に対して反応が鈍くなります。何とかペニスを膣内に挿入できたとしても、刺激不足でなかなか射精することができず、女性は徐々に疲れと痛みを感じるようになってしまうのです。
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心因性ED(勃起不全)になる
癒着が原因でセックスに失敗した場合、男の立場からすればかなりのショックを受けることでしょう。
セックスに対する自信も失い、次に失敗したらどうしようという恐怖感からEDに陥るケースは決して珍しくはありません。女性と比較して、男性のメンタルというのは案外脆いものです。
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尿が飛び散る
ペニスが癒着していると、排尿の際に毎回便器を汚してしまう可能性があります。なぜなら、尿道口から排出された尿は包皮の壁に阻まれて外に出ることができないからです。
亀頭の先端を包皮を包み込んでいるということは、当然ですが尿道口も皮が覆っている状態です。排出された尿は外には行かず、亀頭と包皮の間の空間に溜まっていきます。
溜まった尿が原因で包皮が風船のように膨らみ、逃げ場を失った圧力が僅かに空いたペニス先端の空間から勢い良く尿と一緒に漏れ出します。
ホースの先端を指で摘まむと、水道の水が四方に拡散されながら飛んでいくイメージです。排尿をする度に便器を掃除するのは、非常に面倒でしょう。衛生面でも良くありません。
恥垢が溜まりやすく不衛生
癒着で一番の問題点と言えるのが、入浴時に皮を剥いてペニスを洗うことができないことです。常に先端まで包皮に包まれていることで、皮の内側にはいわゆる「チンカス」が溜まっていきます。
当然ですが、汚れを放置しておくことで細菌や雑菌が繁殖するので、亀頭包皮炎を発症するリスクが高くなりますし、何らかの病気に感染する可能性だって否定できません。
また、臭いという新たな問題も発生します。恥垢が溜まることでペニスからは強い臭いが発せられ、セックスの際に女性から嫌がられるケースもあるでしょう。臭いペニスなど好んでフェラチオしてくれる女性などいません。
顔と性格が良く、年収も高い完璧な男性であっても、ペニスが臭いことで全てを失うことだってあるのです。
ちんこが癒着している人がやってはいけない注意点
デメリットを知ってもらうことで癒着に対する注意喚起を促しましたが、もしかすると焦って何とか改善しようと考えている方がいるかもしれません。
改善を検討するのは非常に良いことです。そのための注意喚起なのですから、ぜひとも積極的に行動することを望みます。
しかし、焦るあまりに無謀な行動に走るのは困ります。万が一、ペニスに取り返しのつかないトラブルが発生すれば元も子もありません。
そこで、ペニスが癒着している方が絶対にやってはいけない注意点を紹介していきましょう。
自分でペニスの皮を剥がさない
亀頭の先端まですっぽり包皮に包まれた重度癒着は、絶対に自分で剥がさないようにしてください。
自分で皮が剥ける仮性包茎であれば、排尿やセックスの際に皮を剥くことに問題ありません。実際に要所要所で皮を剥くことで、日常生活を弊害なく送っている方もいます。
しかし、重度の癒着であれば、話は別です。亀頭と包皮の接着度が強い状態で無理やり剥がせば、激しい痛みや出血が出ることが目に見えています。
皮膚が裂けるような事態になれば別の治療も必要になってくるので、自分で無理やり皮を剥がすのは止めましょう。
皮を剥いたら必ず元に戻す
軽度の癒着であれば必要に応じて自分で皮を剥いて構いませんが、必ず剥いた皮を戻す習慣をつけてください。
剥いた皮をそのまま放置しておくことで、包皮口が皮で締め付けられてしまい、亀頭が腫れるというトラブルが発生します。これを嵌頓(かんとん)包茎と言います。
嵌頓包茎になることでペニスの血流が悪くなり、最悪の場合は亀頭の壊死を招く恐れもあります。これは子供の包皮翻転訓練でも同じことが言えるので、剥いた皮は必ず戻すように心掛けてください。
包茎癒着を剥がすなら手術治療を受けよう
ペニスの癒着を剥がす最善の方法は、手術治療です。重度癒着はもちろんのこと、軽度であっても一度治療してしまえば再発のリスクは限りなく低いです。
自分で癒着を剥がせるアイテムや方法も出回っていますが、それらは信用せず専門家に運命を委ねてください。
自分で何とかしようと足掻けば、ろくな結果になりません。正しい治療法で、ペニスの癒着に永遠の別れを告げましょう。