仮性包茎(かせいほうけい)の改善策に、テープを使った方法が効果的という話を耳にしたことはありませんか?
仮性包茎テープは、いわゆる包茎矯正器具と呼べれるアイテムの1つで「ヒトカワむけたいなら」をキャッチフレーズにした「MUKETE」という商品が有名です。手術治療と比較して安価なことから、多くの男性が包茎改善を夢見て手を伸ばしています。
本記事では、仮性包茎テープは本当に治療効果があるのかを解明するとともに、絆創膏での代用は可能か、テープを使用する上でリスクはないかなど、気になる情報をお届けしていきます。
仮性包茎テープに効果はある?
結論からお伝えしますと、仮性包茎テープの効果は、非常に乏しいと言わざるを得ません。なぜなら、包茎の原因となる余った包皮がなくなるわけではないからです。仮性包茎テープで得られる改善効果は一時的なもので、所詮は対処療法でしかないと言えるでしょう。
包茎矯正器具には、リングタイプや下着タイプなどがありますが、テープタイプが最も知名度が高く、ポピュラーなアイテムとなっています。
使い方は非常にシンプルです。自分の手でペニスの皮を剥いていき、限界まで剥けた部分でテープを使って陰茎と固定します。セロハンテープで何か貼り付けるのと同じイメージで、陰茎に包皮を貼り付けてしまうのです。
その結果、確かにテープを貼っているうちはペニスの皮が剥けて亀頭が露出します。見た目も改善されて、束の間は長年のコンプレックスからの解放感を味わうことができるでしょう。
しかし、テープを剥がした瞬間、現実に引き戻されます。剥けていた皮は元の位置に戻り、再び亀頭を覆い隠してしまいます。明るい満足感に包まれていた心には暗い影が忍び寄り、包茎テープを使う前以上の絶望感に苛まれる可能性も十分に考えられます。ぬか喜びほど残酷なものはありません。
仮性包茎を完璧に治療できる唯一の方法は、手術治療です。それ以外には存在しないという事実をしっかり受け止めて、甘い夢を見ないように注意してください。テープはあくまで亀頭が露出した状態を維持する補助アイテムでしかなのです。
仮性包茎テープで得られるメリット
仮性包茎テープに根本的な治療効果がないとはいえ、全くメリットがないわけでもありません。
下手に明るい情報を提供して安心させてしまうのは望ましくはないのですが、どうしても仮性包茎テープを試してみたい方のために、消費者の立場からすれば嬉しいポイントを解説していきましょう。
コスパが良い
仮性包茎テープの一番のメリットは、価格が安価だという点です。仮性包茎の手術はほとんどが保険適用外となりますので、治療費は高額になるケースが多いです。
しかし、仮性包茎テープであれば1箱1,000円を切るものもあるので、手術治療と比較すればコスパが良いと言えるでしょう。
テープは基本的に1日1回は張り替える必要がありますが、1箱1,000円で30枚入ってるタイプであれば、単純計算で1日あたり33円(1ヶ月を30日とした場合)の費用で済みます。お金のない学生などからすれば、大きなメリットです。
試してみた結果、効果がなくても、その金額であれば諦めもつくでしょう。
パッケージデザインが洗練されている
仮性包茎テープは、パッケージデザインがいかにもアダルト系というものが少ないです。煙草やガムのようにお洒落なタイプも多く、一見しただけではそれが包茎矯正器具だとは分かりませんので、店頭で手を伸ばすことにさほど抵抗は感じないでしょう。
また、パッケージに「医療用素材」などの記載があることで、商品からいやらしさを払拭することに成功しています。このあたりは製造企業の巧みな販売戦略が光っています。
一時的な剥き癖はつけられる
仮性包茎テープは、使用感に慣れてきたら徐々に包皮の固定時間を伸ばす使い方が一般的です。
最初は2時間くらいの使用から始め、包皮が常に剝けている状態が体に馴染んできたら固定時間を伸ばしていきます。最終的には24時間の使用を目標とするのですが、そこまでいくとテープを剥がしても、一定期間は皮が剥けた状態を維持できるケースがあるのです。
まさに「剥き癖」と言える現象で、多くの男性はこれで包茎が治ったと錯覚してしまいます。結局は暫くすれば皮は元の位置に戻ってしまうのですが、人前で裸になる直前までテープで包皮を固定し、下着を脱ぐときに素早くテープを剥がすことで、他人に包茎だとバレずに済むかもしれません。
仮性包茎テープを使うリスク
残念ながら、仮性包茎テープはメリットよりデメリットのほうが圧倒的に多いことが現実です。中には、ペニスに対して深刻なダメージを与えてしまうケースもあります。
軽はずみな気持ちで仮性包茎テープに手を出して取り返しのつかない事態に陥る可能性も否定できないので、これからお伝えするリスクをしっかり把握してください。
医学的に効果が立証されていない
まず仮性包茎テープの効果は、医学的に立証されていない点に触れておきましょう。改善効果というのは、あくまで製造メーカーの検証や、実際に使用した方のレビューで成り立っています。
医師の中には、クリニックのホームページで仮性包茎テープの使用に注意喚起を促している方も存在します。はっきりと「仮性包茎テープに改善効果はない」と明言している医師も多いのです。
そういった背景から、仮性包茎テープの使用はあくまで自己責任となります。誰のせいにもできませので、興味本位で試すことは止めておくべきでしょう。
勃起時に痛みが出現する
平常時のペニスの皮を剥いて固定することで、勃起をした際に包皮が引っ張られて痛みが発生してしまいます。
勃起とは生理現象でもあるので、自分の意志ではコントロールできないことが多いです。男性であれば、理解できますよね?
自分の意志とは関係なくペニスが反応し、そのたびに痛い思いをするのはある意味で拷問だと言えるでしょう。
包皮が裂傷する
仮性包茎にも重症度があり、簡単に皮を剥けるタイプもあれば、無理やりでないと亀頭を露出できないタイプもあります。
無理に皮を剥くことで包皮にダメージが蓄積され、場合よっては皮が裂けてしまう恐れがあるでしょう。剥いた皮をテープで強引に固定することも、包皮の裂傷を招く要因です。傷口から細菌が侵入することで感染症のリスクも高まるので、無理やり皮を剥くことは止めてください。
また、包皮に細かな傷がたくさんできることで、ペニスと皮が癒着する危険性もあります。ペニスの癒着は仮性包茎以上の大きな問題なので、十分に注意をしてください。
テープかぶれを起こす
ペニスに仮性包茎テープを貼り付けることで、包皮がテープかぶれを起こす恐れがあります。
接触性皮膚炎と呼ばれる状態なのですが、痒みを伴う発疹や小水疱が出現したり、ひどい場合はペニスが腫れ上がるケースもあるでしょう。ステロイド軟膏や抗ヒスタミン薬を内服することで治療は可能ですが、痒みに耐えきれず掻きむしってしまうと重症化するので注意が必要です。
場所が場所なだけに、人前で気軽に掻くこともできないでしょう。
包皮や陰茎が炎症を起こす
ペニスというのは非常にデリケートな部分で、汗や尿で蒸れやすい特徴があります。そういった部分に24時間テープを貼り続けることで、包皮や陰茎炎症を起こす可能性もあるのです。
炎症を繰り返すことで皮膚が硬化するという新たなリスクを招く要因にもなりかねません。
包茎矯正テープの中には、医療用素材のテープだとアピールしているものもあります。確かに医療用素材は皮膚疾患のリスクを最小限に抑えたものですが、それでも100%のトラブル予防とはなりません。
甘い言葉に誘惑されないようにしましょう。
仮性包茎テープは絆創膏で代用できる?
結論からお伝えすれば、仮性包茎テープは絆創膏で代用できません。なぜなら、仮性包茎テープはペニスの包皮を固定することに特化した商品であり、粘着力や構造など製造企業が綿密に設計をしているからです。
実際に絆創膏で剥いた皮を固定しようとしても、粘着力の乏しさからすぐに剥がれてしまいますし、ペニスの形に合わせてカットしなければならない手間が発生します。余計な皮膚トラブルを招く原因にもなるでしょう。
絆創膏で代用という発想自体はユニークだと思いますが、些か無謀な行いであることは間違いありません。
仮性包茎テープに頼っても包茎は治らない
多くの男性の注目を集める仮性包茎テープですが、残念ながら治療効果はないという結果でした。対処療法としての一時的な改善効果が得られても、剥いた皮は引き寄せられるかのように亀頭へと戻っていくでしょう。
さらにペニスに重大なトラブルを招いてしまう恐れもあります。仮性包茎を改善したいだけなのに、別の疾患を引き起こしては元も子もありません。金銭面でも精神面でも大きなダメージを受け、最初から素直に手術治療を受ければ良かったと後悔することが容易に予想できます。
インターネットやSNSの情報に、惑わされてはいけません。仮性包茎テープでは意味がないという事実を受け入れてください。治す方法は、手術治療の一択です。
仮性包茎からあなたを救い出してくれるのは、経験と知識を併せ持った医師だけなのです。まずはお近くのクリニックの受診をおすすめします。